ユーラシア・グループの 2017 年 10 大リスクが発表されました。
ユーラシア・グループの 2017 年 10 大リスクが発表されました。
http://www.eurasiagroup.net/files/upload/Top_Risks_2017_Report.pdf
ユーラシア・グループの10大リスク
イアン・ブレマー氏が率いるユーラシア・グループが、2017 年の世界の「十大リスク」を発表しました。- Independent America ~ 独立したアメリカ
トランプ氏が掲げるアメリカ第一主義と「偉大なるアメリカ、再び」という誓約。
それはすなわち、今までアメリカが果たしてきた国際社会へのリーダーシップという役割を必ずしも履行していくものではない、ということです。
国際社会での「アメリカ」という国の立場に変化が見られる可能性を指摘しています。 - China overreacts ~ 中国の過剰反応
中国は秋の共産党大会で指導者の交代が予定されており、権力が移行することになります。それを前にアメリカをはじめ、北朝鮮、台湾、そして、日本との緊張が高まる可能性を指摘しています。 - A weaker Merkel ~ 弱体したメルケル
今年はヨーロッパの政治的なリスクとして、別の流れが発生する可能性があります。そのいくつかは確実にやってくると指摘しています。
ブレグジットはイギリスとヨーロッパの溝を深めるし、フランスの投票ではユーロに対して懐疑的な政党が躍進する可能性もあります。危機に瀕しているギリシャは引き続きユーロに対して懐疑的であるし、トルコは独裁的な流れに向かっていくかもしれません。
これらの問題に対してメルケル首相が手腕を発揮してきましたが、それはもう必要なくなるかもしれません。 - No reform ~ 進まない改革
先進国と発展途上国の経済には、構造的な改革が必要ですが、リーダーたちはそれらに対処できない可能性を指摘しています。それにより成長への投資の機会が失われてしまうかもしれません。 - Technology and the Middle East ~ テクノロジーと中東
テクノロジーは経済成長の原動力となるかもしれませんが、中東の権威主義体制にとっては必ずしもそうとは言えないかもしれません。 - Central banks get political ~ 中央銀行の政治化
ここ 10 年は、中央銀行は米国の経済危機やユーロ危機などに立ち向かっていました。それらは独立したものと言えます。
しかしながら、政治家たちは中央銀行の独自性を脅かしつつあります。このような動きは 2017 年の世界経済にリスクとなりうる流れなのです。 - The White House versus Silicon Valley ~ ホワイトハウス VS シリコンバレー
トランプ大統領は雇用の創出を求めています。しかしながら、シリコンバレーのテクノロジー企業たちは必ずしもその流れを求めているわけではありません。
しかしながら、トランプ大統領はアメリカ人の雇用を維持するためには税金を撤廃するといったことも掲げています。これらは受け入れられるでしょう。
彼に不満を持つ組織、企業は転落してしまうでしょう。しかし、それは構造上の問題ではなく、個々の企業に問題があるのです。 - Turkey ~ トルコ
昨年失敗したクーデターは、トルコの不確実性を高めています。エルドアン首相は官僚を始め、メディア、ビジネスセクターまで目を光らせ、権威主義体制を強化しています。
この流れは、国内のガバナンスや経済、対外関係まで多くを悪化させるかもしれません。テロも頻発しています。 - North Korea ~ 北朝鮮
2017 年は北朝鮮にとって大きな年となるでしょう。それは良い意味ではありません。
北朝鮮は核とミサイル戦略をさらに拡大し、アラスカを超え、アメリカ西海岸まで到達する核弾頭搭載小型ミサイルを保持することになるかもしれません。それは米国にとって非常に大きな脅威となります。 - South Africa ~ 南アフリカ
ジェイコブ・ズマ大統領とアフリカ民族会議(ANC)の対立は、内外を問わず反発が強まり、南アフリカの経済をより大きなリスクに晒し、地域の安定を損なうかもしれません。
原文は以下にあります。けっこう読み応えがあります。
Eurasia Grouphttp://www.eurasiagroup.net/files/upload/Top_Risks_2017_Report.pdf